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このカテゴリーでは、アメリカで犬と暮らすためのプロセスや注意点、日本とは違うアメリカのペット事情などのお話が集まっています。
このカテゴリーはこんな方が読むと興味深い内容になっています。
- 日本とアメリカのペット事情の違いを知りたい方
- アメリカに引っ越す予定があり、アメリカのペット事情を事前に知っておきたい方
- 今現在アメリカに住んでいて、犬を飼いたいけどどうすれば良いのか悩んでいる方
APPA(American Pet Products Association)によると、アメリカでは48%の家庭が犬を飼い、38%の家庭が猫を飼っているとのことです(2017−2018)。
約8割の家庭が犬、もしくは猫を飼っていることになります
ちなみに日本では、12%の家庭が犬を、9%の家庭が猫を飼っているとのことです(一般財団法人ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査 2018より)。
日本と比べると、アメリカがいかにペット大国であるかが分かると思います。実際に我が家の両隣、前後ろ、斜め前後ろ、合計8軒全てで犬を飼っています(猫はたまたまいませんでした)。
余談ですが、8軒の内訳は、大型犬1軒、中型犬3軒、小型犬4軒です。
アメリカでも意外と小型犬が人気。
今回は犬と暮らすための第一ステップ、「犬をどこから迎え入れるか ペットショップ編」について書いていこうと思います。今回はプレッツェルの出番はありません。
えっ
犬をどこから迎え入れるか
前回の「犬をどこから迎え入れるか アダプト編」にも書きましたが、アメリカで一番多いペットを迎え入れる方法はアダプトです。
前回の記事で使用した図をもう一度載せておきます。下の図はAPPA(American Pet Products Association)が発表した、2015-2016年の「ペットの獲得先」です。参考に猫も載せておきました。
方法 | 犬 | 猫 |
Animal Shelter/Humane Society/Rescue group(保護犬) | 44% | 47% |
Friends/Relatives(友人や親戚から) | 25% | 26% |
Breeder(ブリーダー) | 25% | 4% |
Stray(迷い犬・迷い猫) | 4% | 32% |
Pet store(ペットショップ) | 4% | 1% |
この図を見ても分かるように、アメリカではペットショップから犬や猫を購入するのは、わずか5%(犬猫合わせて)しかありません。
ペットショップで購入する
アダプトセンターに比べれば圧倒的に数は少ないですが、アメリカにも生体販売するペットショップはあります。「欧米のように生体販売ゼロを目指そう!」と謳っている日本の里親サイトを見かけますが、残念ながらアメリカはヨーロッパほど進んでいないのが現状です。
以前住んでいたヨーロッパでは、生体販売するペットショップは見たことがありませんでした。
店舗
私が住んでいる半径10kmに、生体販売をするペットショップは2軒あります。
そのうちの1軒、「Petland」です。ここはアメリカ全土に展開しており、アメリカに81店舗あります。私の近所のPetlandは大きなショッピングモールの中に入っており、いつもお客さんで賑わっている印象です。
展示方法
小型犬・中型犬・大型犬とざっくり種類分けし、子犬が2〜3匹ずつ入れられています。ちょっとしたクッションと、ケージに取り付けるタイプの給水器が設置されています。
ケージ内は清潔ですが、店内が混雑している時は排泄物が放置されている場合もあります。
生後4ヶ月を過ぎて大きくなってくると、安売りの札がつけられます。
展示方法に関しては、あまり日本との大きな違いはありません。
犬の情報
ショーウィンドウに犬の情報は貼ってありません。生後何ヶ月なのか、犬種は何なのか、値段はいくらなのか、全ての情報は店員さんに直接聞かなくてはいけません。
この点は日本と大きく違います。
ミーティングルームでグリーティングする
気になるワンちゃんがいたら、ミーティングルームで一緒に遊ぶことが出来ます。
140cm程の高さのついたてとドアで、個室のように区切られています。中に作り付けのベンチが置いてあります。
私たちもプレッツェルを飼う前に、2匹のワンちゃんとグリーティングしました。制限時間は特になく、気の済むまで一緒に遊べました。
実際にグリーティングしたワンちゃん。プレッツェルと同じ、オーストラリアン・シェパードです。店員さんに、「この毛色で瞳がブルーの子はとても珍しいのよ!」と言われたのを覚えています。
このグリーティングのタイミングで、子犬の値段・誕生日・保険などの情報が書かれた紙が貰えるので、購入するかどうか検討するといった流れです。
アメリカのペットショップとパピーミル
アメリカのペットショップは、日本のペットショップと大きな違いはあまりありません。強いて違いを挙げるなら、犬の情報がショーウィンドウに貼られていないことくらいでしょうか。
アメリカのペットショップからペットを迎え入れる手順は以下のたった2つ。
- ショーウィンドウで生体を選ぶ
- 一緒に遊んでみて、相性が良ければ購入する
手順も日本と同じです
厳しい審査があるアダプトセンターからの引き取りに比べて、とてもシンプルです。
こんなにシンプルなのに、どうしてアメリカではペットショップからペットを迎え入れる割合がたったの5%なのでしょうか。ちなみに日本は54%で(楽天インサイト調べ,2018年)、半数はペットショップからペットを迎え入れています。
日本は半数の54%で、アメリカはたったの5%。冒頭でヨーロッパに比べアメリカは生体販売に関する意識は遅れている、と書きましたが、日本よりは遥かに生体販売の問題をシビアに捉えています。
アメリカのペットショップに対する考え
2019年1月より、カリフォルニア州ではペットショップでの生体販売は「保護動物のみ」という法律が施行されました(参考サイト:Newsweek)。現在カリフォルニア州では、犬・猫・ウサギはレスキューされたもの以外は販売禁止となっています。
この法律施行の背景には、アメリカのパピーミルの現状があります。
アメリカのパピーミルの問題
パピーミルとは「子犬工場」を意味し、利益を目的として劣悪な環境で犬などを大量繁殖させる悪質なブリーダーのことです。アメリカのペットショップで売られている子犬の99%は、パピーミル出身ということが分かっています。
アメリカでは近年、パピーミルが問題となっています。
ニュースを読んだ時に、どうしようもない怒りが込み上げてきました。ですがこの摘発は、氷山の一角だと思います。
我が家がペットショップからペットを迎え入れるのをやめた理由
プレッツェルに出会うまで、犬の迎え入れ先としてアダプトセンター、ブリーダー、ペットショップなど、沢山の選択肢がありました。ですが上記のニュースをネットで読み、アメリカのパピーミルの現状、そしてペットショップで売られている子犬の99%がパピーミル出身と知り、我が家はペットショップから迎え入れることをやめました。
この現状を知らずに、ペットショップを嬉々としてまわっていた自分が情けないです
まとめ
いかがだったでしょうか。アメリカにも生体販売をするペットショップはあります。そしてそのペットショップの裏側にはパピーミルがあります。
アメリカのペットショップでの生体の販売方法は日本とあまり変わりません。それは同時に、その裏側にあるパピーミルの存在を、日本でも否定できないということになります。
ペットショップから生体を買わないという私たちの決断は小さなものですが、この小さな決断が多く集まることによって、強大なパワーに成長するはずです。ペットショップからペットを迎え入れようと考えている方がいらっしゃったら、一度立ち止まって他の選択肢も考えてみてください。
ペットショップでの生体販売が世界的にゼロになり、1つでも多くのパピーミルが廃業することを願います。
次回は「犬をどこから迎え入れるのか ブリーダー編」を書こうと考えています。最後まで読んいただきありがとうございました。今回のこの記事が、読んでいただいたあなたの役に立つならばとても嬉しいです。
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コメント
はじめまして、シアトルから犬ブログを書いています。貴重な情報のブログ、じっくりと読みました。実は読み進めるにつれ、プレッツェルちゃんはペットショップから?と不安になったのですが、結末にホッといたしました〜。
私も、ペットショップに反対の立場を取る者です。シアトルでは犬猫を販売する店がそもそもないことに感謝して暮らしています(ショーウィンドウに子犬を見るのは辛いので)。
我が家も犬探しの際、オージーを候補に入れていました。これからも可愛いブログ、楽しみにしています!
ゆみこさん
初めまして!コメントありがとうございます。
2ヶ月前にポツポツとブログを始めて、ゆみこさんが初めてのコメントです。嬉しいです!
私が住んでいるところは、まだまだ生体販売されています。もう少し行動範囲を広げれば、きっともっと生体販売するペットショップはあると思います。悲しいですよね。
シアトルは生体販売がないのですね。羨ましいです。やはりアメリカ西部は進んでいるのかな。ショーウィンドウ子犬がいるの、本当に悲しいです。
ゆみこさんのブログにこっそりお邪魔させてもらいました。素敵な環境にかわいいワンちゃん♩更新楽しみにしています。
これからもプレッツェルをよろしくお願いしますヽ(´▽`)/
すいません。
弁論大会のテーマに犬の殺処分を無くそうというものを採用したのですが、とてもよくわかったので助かりました。
私も犬を飼っているのですが、パピーミルという言葉を初めて知ったと共に、とても悲しい気持ちになりました。
日本にもパピーミルを知って、周りに広げてくれる人たちが増えますように。
お返事が遅くなって申し訳ありませんでした。
素敵な弁論大会のテーマですね。私もぜひ拝見したかったです。
パピーミルの現状はレスキューチームによって徐々に改善しつつあるのですが、まだまだ根絶には程遠い状況です。
日本にもパピーミル根絶の動きが進みますように。